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SS-「笑顔の次の手」
何も言うまい・・・。
短いですが追記よりどうぞ♪


「笑顔の次の手」


あっ、と思った時には遅かった。
それは手からすべり落ちて足元で派手な音を立て砕け散った。

「やだっ!何してるのよ」

キョーコはそう自分を叱咤して、割ってしまったマグカップの破片を拾うべく屈み込んで手を伸ばしたその時、

「最上さんどうした!?」
「敦賀さん、すみませんっ!私カップをーー・・っ!!!」
「切ったの!?」

蓮があわてて、キョーコに駆け寄って手を取った。
白い指先からつーっと血が流れ落ちる。
触れられた手があつく、瞬間キョーコの鼓動が小さく跳ねた。

「あっ、だ、大丈夫ですよ、それより危ないので片付けを・・・」

怪我をした手を見つめる蓮の瞳が妙に艶めかしく揺れ、不意に『DARK MOON』のワンシーンを思い出してしまい、急に恥ずかしくなったキョーコは思わず手を引っ込めようとした。
しかし、蓮はそれを許さず軽く手を握った。

「駄目。そんなことより手当てが先だよ・・・おいで」




「ありがとうございます、敦賀さん」

消毒し手当を終えたところでキョーコは蓮に礼を述べた。

「ごめんね・・・最上さん」
「・・・・へっ?」

謝罪するべきは自分のはずなのに、何故蓮が謝るのだろうとキョーコは不思議そうな顔を向けた。

「俺が不用意に声をかけたから・・・」
「な・・・何言ってるんですか!?敦賀さんは全然悪くないです!!」

蓮がそんな風に思ってることにキョーコは吃驚してあわてた。

「私がドジなだけで・・・本当にすみません!」

キョーコは今にも土下座しそうな勢いで頭を下げようとしたが、寸での所で蓮が苦笑して止めた。

「あの・・・新しいカップ、私今度買ってきますので・・・」
「そんなこと、気にしなくていいよ?」
「いえ、そうはいきません!!」

キョーコがこう言い出したら引かないのを蓮もわかっているので、さてどうしたものか、と顎に指を添え思案し始めた。

「じゃあ、今から一緒に買いに行こうか?」
「えっ・・・今からですか?」

突然の申し出にキョーコは思わず時計に目をやった。
今日はお互いに早い時間に仕事を上がれたため、まだ21時を回ったところだった。

「帰りはそのまま送って行くよ?」

蓮に笑顔でそう言われれば、キョーコは頷くしかなかった。


***************


「あの・・・敦賀さん、本当にここでいいのでしょうか?」

キョーコと蓮がやってきたのはよろず屋だった。

敦賀さんほどの方がこんなプチプラのお店でいいのかしら、
と言ってもそんな高いものは買えないんだけど・・・悶々とキョーコが考えていると、

「最上さん」
「はっ、はい!!」

思考に入り込んでたキョーコはいきなり声をかけられ、思わず直立不動の姿勢になり返事をした。
蓮はクスッと笑うと、

「最上さんはどういうのが好み?」
「へぁっ、わ、私ですか?」

改めて棚を見渡すとシンプルなものからキャラクターもの、キョーコのツボをつくメルヘンちっくなデザインまで様々なカップが並んでいる。
キョーコは眺めてるうち次第に真剣に選び始めた。

「ん~、あの、これなんか好きです!」

キョーコが手にとったのは、薄いピンクベースに蝶や小花、レースの模様が描かれているクラシックなデザインだった。
ポイントにレトロなロゴがあしらわれている。

キョーコは瞳をキラキラさせ、ほぅっと幸せそうなため息をついた。
だがすぐにハっとして、おずおずと蓮を見上げると、優しく微笑んでいる瞳とぶつかった。
なんだか気恥ずかしくなって、キョーコはカップを棚へ戻そうとした。

「す、すみません。私の買い物じゃないのに・・・」
「じゃあ、それにしようか」
「・・・・・・・は?」
「ん?それが気に入ったんだよね」
「いえ、ですが・・敦賀さんには可愛いすぎるのでは・・・」
「大丈夫だよ、ほら・・・」

そう言うと、同じデザインで色違いのブルーベースのカップを手に取った。
キョーコは目をぱちくりさせ困惑したものの、

「つ、敦賀さんがよろしければ・・・」
「じゃあ、これとコレにしよう」
「へ!?」

ピンクとブルーのカップ両方を手に取り、レジの方へ向かう。

「あ、あの敦賀さん!」
「ん?」
「2つとも買うんですか?」
「うん、ひとつは君のだよ」
「わ、わたしの?」
「家に置いておくから、今度からこれを使えばいいよ」
「で、ですがっ・・・」

何かな、と眩しすぎるほどの笑顔の蓮に勝てるはずもなくーーー。

「・・・・・・・・・・いえ、2つとも買わせていただきます」
「何言ってるの?俺が買うよ」
「そんな!?元はと言えば私が買いに・・・」
「これはいつも美味しい食事を作ってくれるお礼だから」
「お礼だなんて、滅相もないです!?とにかく私が割ってしまったカップを・・・」
「たいしたお礼になってなくて申し訳ないけど・・・」
「そんなことないです!嬉しいです・・・じゃ、なくてですね!!」
「それともーーー」

蓮は急に俯いてシュンとしたように、

「こんなささやかなものでも、君には受け取ってもらえないのかな・・・」

まるで迷子の子犬のように瞳を揺らしてキョーコを見つめた。

「なっ・・・・!!!」

キョーコはそんな蓮の表情に、一気に頭に血が上り顔を真っ赤にさせた。
言葉に詰まったキョーコに蓮は嬉しそうに笑いかけた。

「いいみたいだね」

そう言うと、蓮は固まっているキョーコを促し、上機嫌でレジへと向っていった。












いや、ブルーでも十分可愛いすぎるだろう・・・





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なゆ

Author:なゆ
蓮キョ至上主義。
悶々としながら二人を見守って(?)おりマス。
連載当初は若かったワタシもすっかりイイ歳になりました・・。
イラストメインですが駄文も。。
文章力upを図りたいデースorz

お世話になってます♪

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